夏のおもひで。

コロナ禍二年目の夏がおわる。
夏といえばやっぱり私は小学生の頃を思い出す。
学校のプール、校庭の盆踊り、児童館でお化け大会、2泊3日の家族旅行。
そして8/30、31に宿題の山を前に修羅場を迎える。
この締め切り直前にならないとやらない気質は大人になっても変わらない。
今の子どもたちが我慢、我慢の日々を過ごしていることがとても心配だ。
もちろん、我慢しているのは子どもだけじゃない。
だけど子どもの頃の夏休みって、人を育てると思うんだよね。
祭典
7月中旬は長崎県子ども舞台芸術祭典に呼んでもらった。
昨年中止となったが今年度は決行!!
「チカパンの大道芸!!」で県内8箇所を廻る。
壱岐へ
博多港から時速80キロのジェットフォイルで初めての壱岐(いき)へ。
海の色が途中で変わった。
ようこそ
島にはたくさんの神社があってとても霊験あらたかな雰囲気。
上演の前に月讀(つきよみ)神社に連れて行ってもらう。
手を合わせた瞬間先程までうるさかった蝉の声が遠くに聞こえ、
透き通った風が身体を通過した。
神聖な気持ちが高いと願い事は何も出てこなくなるものだ。
もちろん、写真も撮ろうと思えない。
凄くパワーをもらったことは間違いない。
猿岩
猿の横顔そっくりの猿岩。
壱岐へはいつかまた仕事なしで遊びに来たい。
臆病な私は上演があるとなかなか楽しめない。
佐世保へ移動。
50周年
50周年を迎えた佐世保子ども劇場。
コロナ禍を忘れるくらい全ての年代がいっぱい来てくれた。
「チカパンの大道芸!!」は全年齢に観てもらいたい演目。
地域公演にはピッタリ、おすすめよ❤️(宣伝)
生月海
平戸大橋を渡り人口6000人の島、生月町(いきつき)へ。
生月は2回目、その時は子どもたちがとってもピュアだったことを覚えている。
近くの小さなスーパーで今夜のポスター発見。
生月
これぞ地域公演、嬉しいなあ。
かくして上演は終わり、やっぱり子どもたちが素朴でおおらか!
楽しく演じることが出来た。
演者は観客次第でどんどん調子が出るものだ。
チカパンなんてどんどん木に登るよ、ウッキッキー!!
翌日は佐世保市内での上演。
仕込み中、音楽を再生させている機材が見当たらない。
ゲゲゲッ、やばい。
車の中も荷物の端っこも散々捜索するが見当たらない。
しかし、臆病な私です。
セカンドを持って来ていたのでなんとか本番が出来た。
宿に帰る運転中、ふと助手席に目をやると…
擬態?!
探していた機材。
シートの色にすっかり同化、保護色?擬態?!
ハンドルを切り損ねそうになった。
見えていないのかっ?!(オスカルの有名な台詞ね❤️)
そう、緊張が続くとだんだんズッコケてくる。
気を引き締めてまずは抗原検査じゃ。
検査
長いツアーは途中でも検査する。
誰にやれと要求されたわけじゃ無い、結局自分が安心出来るのだ。
宿のテレビからは東京の感染者がどんどん増えている恐怖NEWS。
それでもオリンピックが始まった。
オリンピック
ツアー最終地は長崎市。
オリンピックには出られなかったけど子どもたちから金メダルをもらう。
メダル
上演後路面電車に乗って平和公園に行ってみた。
高校の修学旅行で行って以来37年ぶりだ。
暑かった。
少しフラフラしながら階段を登る。
登り切ると平和像がある。
被爆した人たちの熱さに比べたら私の暑さなど、と思ったらじょばじょばと涙が出て来た。
平和公園ではどこで手を合わせても水の流れる音が聞こえる。
もちろん、録音ではなく本当の水音。
水を求めて倒れていった人々の魂に捧げる水がそこかしこに流れていた。
プレゼント
祭典の実行委員の中に大好きなお姉様がいる。
その女性は原爆が落ちた時、生まれたばかりの赤ん坊だった。
お母様が覆いかぶさり守った。
女性は元気で美しい方。
チカパンはその人に小道具を運んでもらったりした。
PayPayを使いこなしていてオドロイタ!
因みに覆いかぶさったお母様も現在もとてもお元気。
ちょっといい話でしょ。
帰京
オリンピックは無観客だけど私の仕事は無観客では出来ない。
オンラインも嫌い。
子どもたちのヤジやチャチャや笑い声がそこに有って。
はじめて成り立ちます。
あ、チャンポン?
ちゃんぽん
もちろん食べたよ〜最高に美味しかった❤️
帰京してどんどん感染者が増えていった。
1週間後に大分県中津市で上演。
「こんな時こそ生の舞台を子どもに観せたい」
私は嬉しさと不安と緊張でまた越境する。
中津へ
ヒュウルリ〜、ヒュウルリララ〜
聞き分けのない女です〜(越境つばめ)
中津
上演が始まるとマスクにフェイスシールド、ダブルガードの子どもの顔が飛び込んできた。
一瞬怯んだ。
そりゃそうだよね!
今、そういう状況だ。
それでも観に来てくれたんだよね。
マスクだろうがフェイスシールドだろうが心に届けるぞ。
nakatu
変わらないいつもの子どもたちの元気な反応があった。
なかつ子ども劇場ではコロナ前よりも後の方が参加率が高いそうだ。
中止や延期にすることは安全である。
けれどそれが長いと、、、どうなる?
実施する、しない、難しい判断が続く。
私たち大人の責任なのだ。
ゆめりん
「第28回子どもえんげき祭inきしわだ」は開催を決意した。
これは演劇祭のキャラクターゆめりん。
今年は感染対策のためジッとして動かない。
パンパカ
新作「パンパカパントマイム」を上演。
もちろんいつもより緊張感が漂っていたけど参加して良かった。
実行委員の苦労がどれだけのものだっただろう。
お昼にスタッフルームを覗くとみんな壁を向いて黙々と食べていた。
kisiwada
「まだわからん。2週間過ぎないと」帰り際に事務局のスタッフが言った。
ドキドキしながら夏が終わる。
これが私の夏の出来事。

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