先日、やっと「この世界の片隅に」を観た。
2年前に話題になった作品をやっとTUTAYAで借りて観た。
とても美しくて、悲しい作品だった。
フェリーニの「道」もそうだが美しくて悲しい気持ちになると私はしばらく立ち直れない。
時間が経っても、心に余韻がまるで傷のようにずっと残る。
もちろん、元気にはならない。
元気にはならないけれどこうゆう心情は好きだ。
つい先日、上演場所に大きな日の丸があったので取り外してもらった。
私が1時間演じる黒い幕の上に大きく目立つ国旗だった。
思想的なことでは、ない。
日の丸があんまりパワーがあるから私の歯みがきのパントマイムやトイレのパントマイムが負けてしまうのだ。
こんなこと1940年代だったら間違いなく私は逮捕されているだろう。
70年少ししか経っていないのにこの変化。
進歩しているところ、退歩しているところ、変わらないところ。
戦争は無いけれど災害に苦しめられる時代になった。
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9月。
今月は島根県は益田ではじまった。
益田おやこ劇場が「すくすくフェスタ」に呼んでくれたのだ。
会場はグラントワの400人の小ホール。
大きなステージ、気持ちはいいけどチカパンの許容範囲は超えている。
大きな場所で演じるとき、大きく演じてはいけない。
大きい程、細部を丁寧に演じた方が観てもらえる気がする。
しかし簡単じゃないんだなあ。
帰りにお祭りのお馬さんと出逢う。
益田は日本海が美しい穏やかな町だった。
千葉県流山おやこ劇場で「チカパンの大道芸!!」。
流山おやこは鑑賞会ごとに実行委員会を立ち上げて取り組んでいる。
今回の実行委員会の呼び名が「からだが語る実行委員会」。
うれしいなあ!!
上演当日、会場のおおたかの森は活気に溢れていた。
150人超えの満席。
流山在住のおいけや金魚さん(ぱぴぷぺぽ劇場)も来てくれた。
上演後の交流会もよかった。
大人VSこどものジェスチャーゲーム大会。
まるで千本ノックのようにお題をつぎつぎに身体で表現する。
大人も必死、いや大人が必死だ。
印象的だったのは幼児低学年グループ。
隣に居たからわかるけど出番までみんなドキドキしていた。
だけどいざ前に出て自分のジェスチャーが当ててもらえると身体中で嬉しそう。
「もっとやりたい、もっともっと!!!」ずっとそう言っていた。
自分が表現したことをわかってもらえる喜び。
高学年から大人たちが「わかってあげよう」と観る暖かい眼差し。
チカパンは感動しちゃったよ。
少し大きい子たちは1人で足らない表現の時、スッと加わって応援する。
チームワーク。
深いのう。
だけどこれ、チカパン効果じゃないんだよね。
たぶんアフタフ・バーバンの圭太効果!
神戸の北崎圭太くん、元気かな。
あなたの蒔いた種、たくさん芽が出ているぞ。
印象に残る劇場だった。