スペイン紀行 記事
「え〜、評判は上々!なんと来年もオファーが来ました。守りに入らず、攻めの姿勢でいこう!明日はオフ!楽しもう。by燕」 舞台は各地で新聞にとりあげてもらえました。特に上記の記事はとても嬉しいものでした。日本語訳したものを載せました。
ちょっと自慢さしてね。
(*^_^*)えへへえっへん。
「比率の真価」
2006年5月12日付け
エル・ノルテ・デ・カステイリャ紙
日本のツバメ屋劇団は繊細で非常に象徴的かつ精神を暖め心を豊かにする並外れた舞台を演じ、同フェステイバル公演において異彩を放っている。
他の劇団の舞台演出に見られる騒音やめまぐるしさといつたものはここでは切り捨てられ、これによってぎっしり詰まった感動を分かち合う東洋の贈り物を包み込む安定した動きや均衡及び特質といった演出効果を出している。
一人のピアニストが音色を出して舞台の始まりを告げ、質素な無限大に広がる舞台を構成する大きな三角形で形どった幾何学的な風景に同化した一組の俳優, 舞台操作人、パントマイムが舞台の物語を担当している。
三角形の作品で小道具を形成し, 同様のフォームで切断することによって生命のサークル、つまり、季節の移り変わりが始まる。三角形は王冠、太陽, 花, 動物や扇を形どりその外形と色によって穏やかな素朴さにあふれた雰囲気を創り出している。三角形が結び合いとても複雑なフォームをとおして世界を再生する時にその魔力は増大する。とてもすばらしいのは、三角形の3つの演壇をかよわそうに操作する遠海における大嵐のシュミレーションである。
大洋に漂う難破船、蛍光の傘が炸裂する花火祭り、宇宙船の発進等の作品は演劇風の出し物であるが、これらの作品にほとんどスケッチ風で、蝶が飛ぶような軽快さや、チューリップが咲いている様子といったより内心の遊戯を混ぜ合わせている。
この作品の演出は素朴な美学をもっつており、これは偶然に達成したものではなく、舞台芸術の目標を模索し努力を重ねてやっと一流のすばらしい造形芸術に到達したのである。「四季のための三角形」は爆笑を誘うようなものでも、また、驚くような演技を見せるような作品でもないが、本件フェステイバルにおいて大きな支柱の一つとなる作品である。
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「様式の問題」
2006年5月12日付け
エル・アデランタド・デ・セゴビア紙
第20回世界人形劇フェステイバル「Titirimadrid」において紹介されている50近い作品を分類するとすれば、インド、中国、イタリア、フランス、ロシア、ブラジル等の劇団の出身国によってその様式を見分ける方法がある。また、同フェステイバルで紹介される人形劇のテク二ックとは無関係に分類する方法もある。
この方法については、ツバメ屋劇団が公演する日本の様式について言及しなければならない。(同劇団の)外形の様式化や身振り動作は独特の美学を形成し、洗練された審美眼を伝えている。また、お定まりの観客との共謀性に代わり、観客自身の知性というものを必要としている。この劇団の舞台芸術はすべての装飾を取り去ることである。白色を抑えたいくつかの小作品の基本色や舞台操作を伴奏するようなピアノの音楽はある種の補足の役割を担っている。同劇団の作品はその概略的な構成のため、完全に無菌で、数学的かつ自動化された研究所で仕上げられたようである。2人の舞台操作人、とりわけ笑顔を見せた女性は人間が装飾的に舞台に存在する効果をもたらしている。
「四つの季節のための三角形」と題するこの作品にみられる三角形のフォームは、中国に由来する有名なタングランのゲームを基にした珍しい演技を組み立てるためのひとつの妄想もしくは挑戦のように見える。まさに、四つの異なる大三角形の構造は空間を作り上げるために動的かつ機能的な舞台芸術を組み立てている。
同公演はオーケストラで使われる楽器の控えめながら体にしみとおるサウンドとともに、観客を三角形に注目させながら始まる。この音の繊細な表情はこの舞台作品を理解するための洗練された様式の一部を形成している。舞台上の出来事に対する多くの児童たちののびのびとした率直な笑いとコメントはこの公演に活気を与え、繰り返し流れる控えめな音はこれらの児童たちを含む観客たちの注意を喚起している。子供の頃を回想させるこのつつましい音は幻想と空想の世界に入っていくために騒音を断ち切る役割を果たしている。
「四つの季節のための三角形」は物語風というより概念的な作品である。つまり、西洋の舞台芸術でいう劇作術はみられず物語の筋も特にないのである。この作品は小さな固有の活動を行ういろんなオブジェ、動物や植物を載せた絵本のように短い一連のステージを創り出している。この作品において重要なのはコンセプトであり、「抽象的概念」である。 このように、三角形の組み合わせ方によって、蝶、松、山、蝿、魚、ウサギ、虫、にんじん、瓶、燭台、宇宙船、月、及び太陽が登場する。これらは全て子供たちの想像上の生き物を収集したものである。花火、流れ星、蝶や色のついた雪、ならびにすばらしい照明技術が魅力的でかつ知性的な舞台を形成している。